「洗車の時に使う純水は何がいいの?」
そう疑問に感じたことはありませんか?
最近、洗車で有名なキーパープロショップをはじめ、洗車を生業とするところでは当たり前のように使われている純水について気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日常で使用している水道水と純水・軟水は何が違うのか、洗車の時にどういったメリット、デメリットがあるのかについて分かりやすく解説します。
これで純水を選ぶべきかどうかが分かります!
目次
純水とは何か、洗車で選ばれている理由
純水とは、簡単に説明すると純度の高い水のことです。
普段私たちが飲んでいる水には、塩素に加えマグネシウム、カルシウムなどのミネラル分が含まれています。しかし、純水には、塩素・マグネシウム・カルシウム等の不純物がほぼ含まれておらず、限りなくH₂Oに近い水で無味無臭です。
純水よりも不純物を含まない水のことを超純水と言い、微量の不純物も取り除く必要のある半導体の処理などに利用されています。
洗車で純水を利用するメリット
洗車で純水を利用する最大のメリットは、水シミが”残りにくい”という点です。
上記で説明したように、塩素・マグネシウム・カルシウムの含有量がほぼ0に近いため、熱や日光で自然乾燥した後でも跡が残りにくく塗装へのダメージリスクが低くなります。
デメリット
デメリットは、費用がかかる点です。
水道水を純水にするには、一般的に純水機を使用しなくてはならず、純水にするためのイオン交換樹脂を定期的に交換しなければなりません。
そのためコストがかかります。
純水機はメーカーによって価格差はあるものの、最低でも3万円以上しますし、水シミが全く残らないわけではないので、よく考えてから購入することをおすすめします。
軟水とは何か、洗車で利用するメリット デメリット
水道水よりもマグネシウム、カルシウムの量が少ないのが軟水です。
コンビニやスーパーで販売されているミネラルウォーターのラベルで軟水・硬水というのを目にしたことがあるかと思います。この軟水と硬水の違いも、炭酸カルシウムの量で明確に分けられています。
※炭酸カルシウムとは、貝殻はサンゴに含まれている無機化合物の一種
【軟水】
炭酸カルシウムの含有量が60mg/L以下
【硬水】
炭酸カルシウムの含有量が120~180mg/L
軟水で洗車するメリット
軟水で洗車する最大のメリットは純水同様、水シミが”出来にくい”点です。
ただし、あくまでも水道水よりもカルシウム・マグネシウムの含有量が低いというだけで、純水に比べるとシミができやすいのですが、コスト面で見ると圧倒的に軟水のほうが優れています。
【軟水器】
低コストで繰り返し使用可能
【純水機】
定期的な交換費用が発生、繰り返し使用不可
デメリット
純水に比べ水シミができやすいというくらいです。水シミができやすい順で表すと以下のようになります。
・純水 < 軟水 < 純水
水道水とは何か、水道水で洗車するのはNGなのか
洗車することに関して個人的な見解を述べる前に、水道水とはいったい何か、どういった水を水道水というのかについて説明します。
水道水とは?
水道水は、地上に降り注いだ雨や雪が河川やダムに溜まった水を浄水施設で消毒された後の水のことです。
日本の水道水は、腐食等を防止する理由からpHが5.8~8.6になるように処理されていて、概ね中性に該当する値を推移し続けています。
以下、カルシウム・マグネシウムの含有量に関して、クリタック株式会社という企業が実際に水質調査を行った結果を公開しています。
【引用データ】
データから分かる通り、地域によってカルシウム・マグネシウム等のミネラル含有量に差があります。(ちなみに、洗車後のイオンデポジット・水シミの原因は、このミネラル源です。)
このように水道水とは、各地にある水源を利用し水道を通したお水のことを指します。(厳密には、さらに細かい基準がありますが、割愛します。)
水道水で洗車するのはNG?
水道水で洗車する人の中に気になっている人も多いのではないでしょうか。
実際、管理人もずっと気になってはいましたが、今のように純水機を一般家庭で使用されるようになった昨今、余計気がかりでした。
では、実際のところどうなのかというと、個人的見解ですが、結論から言うと別に問題ないという答えです。
ただ、問題ないというのは、どこを基準に考えるのかによって変わるのかなと思います。
生業として利用する
洗車を生業とするならば、純水は基本です。
水道水に含まれるミネラル分は、拭き残しがあると水シミとなり塗装にダメージを与えます。お金をもらって、キレイにすることが仕事である以上、逆に汚れの原因を作るのはありえません。
少しでもそのリスクを軽減する必要があり、純水を使用することは当然でしょう。
普段使いとして利用する
普段使いというのは、特に洗車が好きというわけでもなく、何となくキレイ好きだから洗車しているというレベルです。
塗装へのダメージが大きいのは、雨や鳥の糞などの酸性物質で、それらをボディに付着させたまま放置することです。定期的に洗車を行えるようであれば、水道水でも十分に取り除くことが可能です。
ただし、拭き残しがあると水道水に含まれるミネラル分によってボディを痛めてしまうリスクが高くなります。
趣味として利用する
毎週洗車は欠かさないくらい趣味にされている方であれば、個人的にはあれば純水がおすすめです。
というのも洗車は、車全体を100%拭き残しが無い状態にするのは困難だからです。
どんなに吹き上げても、隙間に入り込んだ水分がしたたり落ちたり、水がボディに留まったりと水シミのリスクも水道水は高くなります。
そのリスクを出来るだけ軽減させるには純水が最適です。
井戸水について
まとめに入る前に、井戸水と洗車のメリット・デメリットについても説明しておきましょう。
井戸水は、山麓や河川、雨や雪が地中に浸透し自然にろ過された天然水で、浅井戸と深井戸の2種があります。
【浅井戸】
地表から約8m〜10m程度
【深井戸】
地表から約20m〜30m以上の深さ
浅井戸に比べ深井戸のほうが不純物が含まれていないという特徴がありますが、具体的にどの成分がどれくらい含まれているかは水質調査を行わないと分かりません。
メリット・デメリット
メリットは、天然水であるため水道代がかからないことです。
反対にデメリットは、井戸水は地中に浸透する過程でカルシウムやマグネシウム等のミネラル成分を含むため、水道水同様、拭き残しがあると乾燥によって水シミやイオンデポジットの原因となるといったリスクがあることです。
良し悪しがあるものの、水の中で唯一水道代がかからないのは最大のメリットですね。
まとめ
- コストよりも洗車キズ、水シミを回避したいなら純水
- コストも洗車キズも水シミも出来るだけ抑えたいなら軟水
- とにかくコストを抑えたいなら水道水
コストを考えなければ洗車に最適なのは言うまでもなく純水です。例え、多少の水分が残っていたとしてもボディへのダメージを最大限に回避することができます。
しかし、まだまだ高額なためそう簡単に購入することもできません。単純に欲しいからという理由よりは目的から純水にすべきかどうかを検討されることをおすすめします。
それでは、素敵なカーライフを!
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