洗車について調べていくと必ず目にする言葉にピッチタールというものがあります。ピッチは、粘弾性のある樹脂を指し、タールは黒く粘り気のある液体です。
今回は、ピッチタールについて分かりやすく説明します。
ピッチタールの除去方法を正しく学ぶことで塗装を長持ちすることができます!
目次
ピッチタールとは?
ピッチタールは、新しいアスファルトなどから飛び散った油分がボディ付着した汚れのことです。(アスファルトの原料は石油、パラフィン、ナフテンなどの油分)
雨・鳥の糞・花粉・鉄粉とは異なり、タイヤとその周辺に付着し固着しやすいという点特徴があり、一度付着して固まると通常のカーシャンプーでは落とすことが難しく、専用の洗剤が必要になります。
※ピッチタールの油分は、酸性のためアルカリ性で中和、分解することができます。
ピッチタールを落とすには有機溶剤
ピッチタールを落とすには油分の分解力が強い有機溶剤を使用します。よく使用されているのはシリコンオフで、有機化合物の総称です。
市販では、スプレー・シート・筆塗りタイプと大きく分けて3つあるので、用途に合わせて自分が使いやすいものを選ぶといいでしょう。
拭き取る際は、拭き残しが予防できる新しい布かマイクロクロスなどを使ってキレイにやさしく拭き取ってください。水滴が残るとそれがまた頑固な汚れの原因になることがあります。
予防するには?
ピッチタールからを未然に防ぐコツは、小まめな洗車とメンテナンスです。
雨汚れ同様、長期間放置するとボディを痛めつけてしまう可能性があります。
そうならないよう、常日頃からタイヤ回り、ボディの下部をチェックし付着していないか確認しておきましょう。
汚れの仕組みを知っておくと便利かも
はじめにも説明した通り、ピッチタールのような油の汚れにはアルカリ性が有効です。
基本的に汚れは、その汚れのpH(ピーエイチ)水素イオンと逆を掛け合わせることで中和されるようになっています。
つまり、
- ピッチタール(酸性)の汚れ ⇒ アルカリ性のケミカル(化学物質)
- スケール汚れ(水アカ、水シミ) ⇒ 酸性のケミカル(化学物質)
といった感じで、その汚れを落とすためには性質を知れば良いわけです。
ただし酸性のケミカル剤には要注意!
スケール除去剤は、水シミを落とすには非常に便利ですが、毒物及び劇物取締法の医薬用外毒物に指定されている成分、フッ化水素酸が含まれているケースが多々あるようです。
フッ化水素酸は、使い方を誤ると非常に危険で過去には某歯科で死亡事件も起きています。
また、市販されているスケール除去剤は、記載が義務付けられている量よりも少ない分量で配合されているため気付かないまま使用していることがあります。
フッ化水素酸はスケール除去に便利ですが、使用する際は注意書きをよく読み、マスク・手袋・ゴーグルを使用しましょう。詳細についてはまた別の記事で説明します。
まとめ
- ピッチタールは、アスファルトなどによる油汚れのこと
- 汚れを除去するには有機溶剤が有効
- 予防するには、定期的な洗車とメンテナンス
ピッチタールは適切な方法で除去すれば塗装のダメージを最小限に抑えることができ、ボディを長期間キレイに保つことができます。
そのまま放置せずに、定期的に取り除き、メンテナンスを行いましょう。
それでは良いカーライフを!
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